海水浴_1日目
運の悪いことに台風が近づいているという。それでも、このどんよりとした曇り空の下でも、宮古島の海は本当に碧かった。それまで海が青いのは空の反射だとばかり思い込んでいた私には驚きだった。手ですくった水は透明で、底に広がる砂は白いのに、何がこの海をこんなに碧くしているんだろう。
帰りがけ、幸運にも晴れ間が見えたのでサンセットビーチによってみることにした。
台風のせいで雲は多かったものの、金色にゆっくりと染まってゆく空を見ることができた。何もかもが一瞬静寂に包まれて、リセットされるようなほんのひととき。今日という1日に感謝して、夜への身支度を始める。
海ぶどう
宮古島は思っていたよりとても小さくて、レストランや居酒屋、みやげやが集中して軒並ぶ西里大通りは、その夜も三味線の音楽や人々の笑い声を入り交えて焼き肉や鉄板焼き等々のおいしい匂いに満ちていた。
子連れ家族を快く受け入れてくれたそのレストランで私がさっそく注文したのは、海ぶどう。キラキラと緑色の数珠のように連なるかわいらしいその海藻を口に運ベば、食感は見た目どおりプチプチと口の中で弾けたが、味はというと、海そのものすぎてびっくりした。もずくの天ぷらやピーナツで作られたジーマミー豆腐も食べ、宮古島特産の鰹とシークアーサーの爽やかなカルパッチョと、お腹も心も「宮古島」に満たされた幸せな夜だった。